概要

キオビヤドクガエルもマダラヤドクガエルと同様に初心者の方にお勧めできる、飼育しやすいヤドクガエルです。「毒」という名前で損していますが、野生個体で無いのであれば全く毒は無く、安心して飼育できます(そもそも世界中で、ヤドクガエルの毒で命にかかわるような事態になったという報告は聞いたことがないですが)。10年~20年ほどと長く生きます。

珍しく「夏眠」を行うことも報告されていて、乾いた暑い夏を夏眠でやり過ごすとされています。

マダラヤドクガエルも飼育初心者にお勧めされますが、もっとも初心者向けと呼ばれるのがこちらのキオビヤドクガエルです。とても丈夫で飼育しやすいです。ただし、基本的には一年中、エアコンや暖房設備をつけっぱなしにしていられることが重要です。パネルヒーターは不自然な暖かさでカエルに負担がかかるので、お勧めできないとされることが多いです。あくまでも「空調」で気温をととのえてあげるのが安全です。

社交的であり、また、人のことを怖がらないので、彼らの綺麗な姿をいつも見られます。

ヤドクガエルは縄張り争いで争うものが多いですが、キオビヤドクガエルは仲良く他のキオビヤドクガエルと暮らせます。ただ、グループ間の争いがあり、あるグループと他のグループが争いあうことがあるので、その点に注意です。

モルフも様々で、黄色、オレンジ、足が緑のもの、足が青いもの、茶色など色々います。ファインスポットと呼ばれる、モルフもありますし、バンディットと呼ばれるモルフもあります。ファインスポットもバンデッドも、ノーマルと比べて繁殖が難しく、出回ることが少ないです。セロオータナと呼ばれる緑がかった種類も存在します。

キオビヤドクに関してはオタマジャクシ同士で共食いするというのが少し気を付けないといけない点でしょうか。またメスが他のメスの卵を食べる事も。

最後に鳴き声が綺麗な事もよく知られていて、ミイロヤドクガエルのような、カナリア的美しい鳴き声を聞かせてくれます。アパートや集合住宅ではうるさいかも知れないので、購入前に検討してください。



飼育場所



これくらいの大きさのケージが本当に最低限の大きさです。バリアビリスなどの小型ヤドクガエルと比べたら大きめのカエルで、ケージ内に置くものが多く、ある程度の大きさが必要になります。このケージで2-3匹飼育できます。23度から26度くらいで飼育してください。

気温に関しては欧米と日本でかなり異なる印象で、27度以上は危ないと言われることが欧米では多いのですが、日本では27度ほどで飼育が勧められることが多いですね。これは住環境の違いや空調設備の違いなども影響しているのかも知れませんが。

ケージの中に置くのは隠れ場所にもるこちらのポトスがやはりお勧めです。尚且つポトスの良いところは土も不要でどんなところでも丈夫に育ち、そしてカエルの糞や尿を吸収分解も出来るところです。ブロメリアなどと違い、根が水分を吸い上げるので、土の水分を吸収してくれて、汚れも吸収してくれるので多くて損はありません。

ケージ内は十分に湿度が必要なので、ケージの上部をサランラップで90%くらいふさいで、こちらの霧吹きで毎日シュッシュします。



1日2回程度、ケージ内全体を霧吹きします。

ケージの下部には敷石か赤玉土を敷いて、その上にこちらのソイルを敷いたら、ほぼほぼ掃除は不要の、バクテリアに分解してもらえるテラリウムになります。




ソイルの上にこちらの苔をおいて、適所にポトスやブロメリアなどをお好みでを置けばケージはほぼ完成です。

いつもヤドクガエルにはポトスを基本的にお勧めしています。理由は様々で、小型のヤドクガエルであればポトスの葉が産卵場所として適していること(隠れて見つけづらいとも言えますが)、根がしっかりしていて水分の吸収や浄化作用への貢献などもありつつ、どんな環境でも生き残る強さがあるからです。ヤドクガエルを飼育する環境も様々で、ケージの位置、光の量、エアコンの風向きなど様々な要因で様々な植物が枯れてしまいますが、どんな環境でも絶対に安心できて、ケージの環境にも有益なポトスはどうしてもはずせません。

ブロメリアなどの植物が枯れて、場合によっては取り出す必要があり、こういった作業中にカエルを誤って殺してしまったり、カエルが脱走したり、ストレスを与えたり、良いことが本当にないです。

美しいパルダリウムを趣味のために作っていくのももちろん素晴らしいのですが、基本的にこちらのブログはシンプルイズザベストということで書いています。




水場もケージ内に入れておいた方が良いのです。 これも日本では必須とされることが多いですし海外でも多く利用されますが、湿度があれば必要ないとする説もありますが、あったほうが良いです。ヤドクガエルはストレスを嫌うので、毎日水を替えていたらそれはそれでストレスを与えます。




紫外線について 紫外線は不要という声もあるものの、無いよりはあったほうが良い、もしくはあって損はないと言われていて、特に若い個体にはあった方が良いです。これも日本と海外での違いを感じるポイントです。基本的に海外では紫外線を推奨していますが、日本では不思議と不要だとする声が多いです。





紫外線を嫌うヤドクガエルも少なく無く、ヤケドのような問題を引き起こすことがあるので、あくまで弱めの紫外線にしておいてください(とはいえ、自分たちで陰に隠れるので、だいたいは問題ないですが)。


餌について





こちらのキイロショウジョウバエが大きさ的に、若い個体には好ましいです。 少し大きめのトリニドショウジョウバエも使えます。ヤドクガエルは小さめの餌を好み、大きい餌は様々な面で避けたほうが良いです(脱腸の原因になるともされているので)。



トリニドショウジョウバエの方が大きくて捕まえやすいというのが利点で、これはこれで使い勝手の良い餌です。 掃除屋、非常食(エサをあげ忘れた時の為)としてトビムシも入れておくと良いです。トビムシを買える場所は限られていますが、ネットオークションや様々な場所で購入できます。 餌にはマルチビタミンとカルシウムをたっぷりとまぶして与えます。ビタミンの過剰摂取もカルシウムの過剰摂取も問題があり、健康問題につながりかねないのですが、基本的に毎回、もしくは2回に一回のペースでカルシウムとビタミンをまぶします。